薬機法を守る化粧品等の適正広告ガイドラインを徹底解説!
薬機法の広告表現に対する規制は非常に細かくて、かつ厳しいものです。そのため専門家でなければ、間違ってしまうことも十分に考えられます。そこで、化粧品の業界団体である日本化粧品工業連合会が作ったのが、薬機法などの法令の規制について詳細に解説するガイドラインです。ここでは、その化粧品等の適正広告ガイドラインについて解説します。
化粧品等の適正広告ガイドラインは業界の自主的な取り組み
化粧品メーカー等の広告主が製品の広告宣伝をする際に、正しい情報を伝える適正な広告表現ができるように作られたのが化粧品等の適正広告ガイドラインです。大げさで事実確認の取りにくい表現になりがちな広告宣伝だけに、ガイドラインの作成は自然な流れだったといえます。
2008年に誕生した化粧品等の適正広告ガイドライン
化粧品等の適正広告ガイドラインは、2008年に業界団体であるJCIA日本化粧品工業連合会によって、自主基準として作られました。化粧品は目で見たり手に取ったりしても、その有効性や安全性がわかりにくい商品です。そのため、適正な選択と適正な使用ができないおそれもあります。
化粧品への信頼性の向上は、正しい知識と情報の提供を抜きにして語れないものです。化粧品等の適正広告ガイドラインがあることで、化粧品メーカー等の広告主や広告制作者は、何がよくて何がダメなのかをより詳細に確認できます。
時代の変化とともに変わるガイドライン
2008年3月に作成された化粧品等の適正広告ガイドラインは、時代の変化に合わせるために、その後2回にわたって改定されています。最初の改定は2012年6月です。続いて、2017年5月には2017年版が発行されています。2019年1月現在では、この2017年版が最新版です。
化粧品等の適正広告ガイドライン誕生の背景
化粧品等の適正広告ガイドライン誕生の背景として、法令による規制も大きな役割を果たしています。それはおもに、薬機法(当時は薬事法)と厚生行政当局による医薬品等適正広告基準の通知です。
薬機法の趣旨に沿ったガイドライン
薬機法では誇大広告等の禁止が明文化されています。化粧品だけでなく、医薬部外品や医薬品、医療機器等の広告や宣伝にあたって非常に大きな意味を持つのが薬機法です。そのため業界の自主基準とはいえ、化粧品等の適正広告ガイドラインが法令に則していることはいうまでもありません。広告宣伝が法令の趣旨に合致したものとなるための指針として作られています。
薬品等適正広告基準とは
医薬品等適正広告基準とは、1980年10月に、当時の厚生省薬務局長通知として発出されたものです。その中身は、薬事法の第66条に定められた誇大広告等の解釈などとなっています。厚生労働省となってからも、医薬局長通知、医薬・生活衛生局長通知によって改正されている基準です。
化粧品の広告を適正化するガイドラインの中身とは
化粧品の広告を適正化するガイドラインは、いわば薬機法を解説する医薬品等適性広告基準をさらに解説したものです。
ガイドラインの対象となるもの
ガイドラインの対象となる広告は、新聞やテレビなどの大手メディアだけでなく、インターネットやDMなど、およそ一般の消費者に向けて発信されるすべての媒体を使った広告です。
また、ガイドラインの対象となる化粧品は「化粧品等」と呼ばれ、化粧品等には化粧品と6種類の医薬部外品が含まれます。
ガイドラインで示される内容
化粧品の広告を適正化するガイドラインには、まずは対象とする広告の種類から化粧品の定義、法令による規制の概要などの前提が盛り込まれています。ちなみに化粧品の広告を適正化するガイドラインでは、薬機法を正式名称の省略形として「医薬品医療機器等法」と呼んでいます。
さらに化粧品名や製造方法の表現方法から、もっとも注目が集まる効能効果に関して許される表現方法と許されない表現方法やその具体例などが詳細に掲載されており、業界関係者以外にも役立つ内容です。
意外なところでも活用される化粧品の広告を適正化するガイドライン
業界内の自主基準として作成されている化粧品の広告を適正化するガイドラインですが、さまざまな分野で活用されています。
連合会内部から行政まで幅広く使われるガイドライン
もちろん、化粧品メーカーなど広告主をはじめとする内部での活用が多いのは当然として、広告代理店や行政など化粧品の広告に関係する団体や個人にも注目され、利用されています。
アフィリエイターにも注目されるガイドライン
近年とくに目立っているのが、化粧品の販売に欠かせない記事のライターや、化粧品のアフィリエイターによる薬機法の勉強です。薬機法に違反した記事や宣伝文句を書いた場合、刑事責任を追及されるおそれまであるため、より細かい部分の確認ができるガイドラインは不可欠なものといえます。
少し前までは、化粧品の販売者ではなく、販売者の依頼で記事を書くわけでもないアフィリエイターが薬機法を気にすることは少なかったともいわれていました。ところが広告文とみなされるものは、誰が書いたかに関係なく対象となるため、薬機法への注目度が増すのに比例して、化粧品の広告を適正化するガイドラインの知名度もアップしているのが現状です。
▽まとめ
化粧品の広告を適正化するガイドラインの次は薬事法管理者
化粧品の広告を適正化するガイドラインは、法令の趣旨を踏まえて詳細に書かれているため、かなり細かいところまで知ることができます。じっくりとチェックして、危ない表現を回避してください。さらに、ここまでモノにすることができたなら、化粧品だけでなく、医薬品等も含めて薬機法を極めるために、薬事法管理者を目指すのもひとつの考え方でしょう。
▽参考情報
https://www.jcia.org/user/business/advertising/
https://www.jcia.org/user/common/download/business/advertising/JCIA20170906_ADguide.pdf
http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=335AC0000000145#1125
https://netshop.impress.co.jp/node/5070
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