オーガニックの表記は大丈夫?景品表示法の観点から考える
「オーガニック」という表記がなされたシャンプーや石けんは、いろいろな人から人気を集めいています。
それだけに、「オーガニック」の製品を販売している事業者も多いです。
しかし、明確な定義や根拠を示さず「オーガニック」表記をしている事例も見られます。
今回は、景品表示法の観点から「オーガニック」表記の是非について説明します。
オーガニックと表記するのは法律的にOK?
まずは、法律的な観点からオーガニックの表記が許される基準について説明します。石けんやシャンプーに「オーガニック」と表記する場合、景品表示法に加えて薬機法の観点からも是非をチェックしなければなりません。
二つの法律がどのような見解を示しているのかを確認しておきましょう。
オーガニックの石けんやシャンプーが人気を集める
オーガニックは、有機栽培由来の農産物及び加工品です。
有機に関する定義はいろいろありますが、土づくりや土壌で栽培したものが基本的にオーガニックとされています。
他にも、化学肥料や遺伝子組換え技術の未使用など、いろいろなオーガニック基準が存在する状況です。
オーガニックの石けんやシャンプーはいろいろな効能をアピールしており、実際に多くの消費者を獲得しています。
景品表示法では「オーガニック」はOK
「オーガニック」の表記は、1999年に改正されたJAS法(日本農林規格等に関する法律)の基準に基づいたものが許されています。
基準をクリアした商品には有機JASマークが付けられ、「オーガニック」という表記が認められるという流れです。
そのため、有機JASマークさえあれば景表法の観点から見ても表記は正しいといえます。
しかし、「オーガニック」の表現が認められる商品でも誇大な表現は禁止です。
詳しくは後述しますが、成分全てがオーガニックであるかのような表記は優良誤認に繋がるケースもあります。
薬機法からみたオーガニック
シャンプーや石けんを販売する場合、景表法だけでなく薬機法についてもチェックしなければなりません。
ただ、薬機法から見ても「オーガニック」表記に関する明確なルールはありません。
こちらも景表法と同様に「オーガニック」の成分や割合等がチェックされます。
オーガニック製品を法律に基づき表記するには
ここからは、オーガニックの石けんやシャンプーの正しい表示について説明します。
有機JASマークがついていても、誇大な表現を行ってはいけません。
景表法に違反しないように、事前に注意点を把握しておきましょう。
商品の機能をしっかりと表記する
オーガニックのシャンプーや石けんには、いろいろな機能や効能が表示されています。
オーガニック自体はある程度の定義があり、有機JASマークという表記の基準もあるので分かりやすいです。
しかし、その他の機能や効能についてはしっかりとエビデンスを表記しなければなりません。
例えば、ダメージケアや肌への優しさなどの表記は、しっかりと調査や検証結果を表記した上で説明しましょう。
これらが守られないと、景品表示法における優良誤認とされる可能性があります。
優良誤認の広告・宣伝で利益を得ると、課徴金を課されることになりかねないので注意が必要です。
成分を正しく表記
配合されている成分についてもしっかりと表記しなければなりません。
オーガニックシャンプーといっても、全ての成分がオーガニックでないものもあります。
その場合は、それくらいの割合でオーガニック由来の成分が配合されているかを分かりやすく表示しましょう。
もちろん、成分についても根拠が必要です。
しっかりと調査・検証を行った上で成分表記を行わなければ、こちらも優良誤認とされる可能性があります。
オーガニック以外の製品も表記にはエビデンスが必要
オーガニック以外の商品について、表示に注意しなければならないもはたくさんあります。
特に話題になるのが、「天然・自然由来」や「無添加」などの表記です。
天然・自然由来に関しては、健康食品のガイドブックによって定義がなされています。
栽培がなされた農産物に関しては、天然や自然と組みあわせた表記は禁止です。一方、農薬を使用していないことを注釈付けするなどの対応は可能です。
なお、無添加に関しては、平成30年に消費者庁が表記について見解を出しています。
「無添加」やといった表記は、全工程においてあらやる添加物が使用していないものがあたり、それ以外の「無添加」表記は許されません。
また、機能等の表記についても注意すべき点があります。
「無添加」そのものを根拠として、有用性や安全性をアピールするのは禁止です。
有用性や安全性をアピールする場合は、しっかりとエビデンスまで表記しなければなりません。
「無添加だから安心・安全だろう」と誤解を生むケースは多いですが、実際には「無添加=安全」というわけでないです。
しっかりと根拠を添えてはじめて安全性の証明がなされます。
▽まとめ
定義があやふやなものが多いので明確な基準が求められる
オーガニック製品の景表法から見た表記方法について説明しました。
オーガニック自体は明確な基準があり、有機JASマークで「オーガニック」表記が認められるので分かりやすいです。
ただ、細かい表現についてはしっかりと根拠を提示しなければ優良誤認にあたります。
しかし、シャンプーや石けんなどの製品は「オーガニック」の定義が明確とはいえず、見解が分かれるケースも。
海外の認証機関を基準にしているケースもあり、曖昧な部分も散見されます。
そのため、「オーガニック」表記に関しては、景表法・薬機法の観点から明確な定義が求められている状況です。
現状は分かりにくい面も多いので、事前に消費者庁に確認を求めるのもいいかもしれません。
▽参考情報
http://www.yakujihou.com/oshiete/faq_020033
https://www.jafaa.or.jp/wp-content/uploads/2018/11/180117_kyokaikenkai.pdf
http://organic-cert.or.jp/about_JAS.html
http://blog.fides-cd.co.jp/article/434135545.html
http://www.yakujihou.com/oshiete/faq_010037
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