誇大広告で違反となる法律とは?ポイントと具体例を紹介
近年、さまざまな商品がインターネットを通じて販売できるようになりました。ネット通販が急速に増えていることで、広告に関する規制を知らずに大げさな表現を用いているものも見受けられます(これらは誇大広告といいます)。この記事では、誇大広告のポイントや注意点について、具体的な法律を交えながら紹介していきます。
商品の広告には誇大広告に注意
近年、サプリメントやダイエット関連商品など、販売促進のために過大な表現を用いている広告が多く見受けられます。過剰な表現を使った広告は誇大広告とみなされる可能性があります。
誇大広告とはどんなものか?
目を引くキャッチフレーズや驚くべき内容の広告は、他社の商品との差をつけやすく、販売数がアップさせることができるものです。しかし、商品そのものの内容がともなっていないのに、それ以上の内容を伝えようとするのは適切ではありません。このように、ある広告が消費者の勘違いや、市場における競争に不公平を引き起こす可能性のあるものを誇大広告といいます。誇大広告は、広告に関連する法律に違反する可能性があるので注意が必要です。誇大広告とみなされると、行政の指導が入ったり、罰金刑に課せられたりすることがあります。
誇大広告について定めのある法律について
誇大広告にかかわりのある法律には大きく分けて、景品表示法と薬事法(現在の薬機法)の2つがあります。ここでは、誇大広告に関連するそれぞれの法律について説明します。
景品表示法
景品表示法は、正式には「不当景品類及び不当表示防止法」というもので、一般的な商品やサービスの広告にかかわる法律です。景品表示法では、ネット広告だけでなくチラシからテレビCMまで、あらゆる広告が規制の範囲内になります。商品の内容や価格に関して規定を定めることで、消費者が適切な判断をできるようにするための法律です。
薬事法
薬事法の正式名は、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」で、現在では薬機法と呼ばれています。医薬品、医薬部外品、サプリメントや化粧品などの製品の品質や安全性を保証することで、保健衛生の向上を目指すための法律です。薬事法の規定範囲は、商品の製造から販売まで幅が広く、関連製品の広告ともかかわりがあります。
景品表示法における誇大広告について
誇大広告とかかわりのある法律である景品表示法ですが、実際にどのような規定がされているのか気になる人もいるでしょう。景品表示法における誇大広告には、不当表示にあたる以下の2つが該当します。
優良誤認表示について
優良誤認表示とは、商品の内容について、事実とは異なる表示をしているものを指します。具体的な優良誤認表示の例には次のものがあります。
・海外産のものを「国産」と表記する
・添加物を使用しているのに「無添加」と表記する
・天然の原材料を使用していないのに、「オーガニック」と表記する
など
有利誤認表示について
>有利誤認表示は価格などに関して、誤解を招くような表示をしているものを指します。有利誤認表示の例には次のものがあります。
・いつもキャンペーン中なのに「今なら割引」などと謳う
・根拠のデータが示されていないのに、「日本一」などと謳う
・他社でも同じようなサービスを実施しているのに、「当店だけ」などの表現を使う
など
そのほかの不当表示について
すでに挙げた2つの不当表示以外にも、おとり広告やイメージ図を用いるなど、消費者にとってまぎらわしい内容は不当表示に当たるおそれがあります。
不当表示の例をみると、わざと悪意を持って表示させているケースもみられます。一方で、自分が気づかないうちに景品表示法に違反することもあるので、注意しましょう。
薬機法における誇大広告について
医薬品ではなくても、健康食品や化粧品などを販売する場合は、薬事法についても配慮する必要があります。誇大広告は薬事法で虚偽内容と受け取られるおそれがあります。ここでは、薬事法で誇大広告と受け取られやすい例について説明していきます。
効果・効能など誇大に表現しているもの
薬事法では、健康食品や化粧品など法律内で認められた内容を超える表現は、認められていません。指定内容以上の表現を使うと、誇大広告とみなされる可能性があります。そのほかの具体例には次のものがあります。
・病気が治った
・病気を予防する
など
医師などが保証したものと受け取れるもの
薬事法では、医師の写真や談話の引用などは認められていません。これは、あたかも専門家が商品について保証していると、消費者が受け取ってしまう可能性があるためです。薬事法に規定されている商品の広告を制作するときは、医師以外にも公的な機関や論文などの引用にも注意するようにしましょう。
▽まとめ
商品の広告を作成するときは誇大広告に気をつけよう
商品の販売をアップさせるために、大げさな表現を使うと、誇大広告としてみなされてしまうことがあります。誇大広告は景品表示法がかかわっており、販売する商品によっては薬事法も絡んでくるものです。誇大広告をそのままにすると、行政から忠告を受けるだけでなく、罰金刑などに課せられる可能性もあります。誇大広告とかかわりのある法律を知ることは、商品の広告を制作するうえでも役立つものです。誇大広告を避けつつ、商品の魅力をしっかりアピールできる広告を制作するために、法律の知識を深めていきたいですね。
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