雑品は薬事法対象外!使って効果があるとは言えないこと

雑品というのは、雑貨などのことで薬事法対象外なのですが、うっかりしたことで薬事法に入ってしまうことがあります。虫除けやマスクなど、具体的な例を紹介しながらどのような場合に雑品にならず、医薬品扱いになり薬事法に引っかかってしまうのかを説明していきます。雑品として売ることを考えている人は参考にしてください。

医薬品・化粧品・健康食品と雑品の違いは?

口から取り入れるものは医薬品か健康食品です。医薬品のみ効能を表示できます。

口に入れられないものは、医薬品・化粧品そして雑品です。スキンケア用のクリームを、「お肌のうるおいを保つ」と言えば、化粧品ですが、ニキビが治るなど、治療に使われるのであれば医薬品として審査が必要になります。雑品は、それ以外のアイテムです。

化粧品と雑品の違い

薬機法2条3項によると、化粧品は、清潔にしたり、美しくしたり、健やかな状況を保つために、体に塗ったり、散布して使用するもので、体への作用がやわらかいものです。雑品との1番の違いは「お肌に直接つける」ということです。

雑品はお肌に直接使えません。お肌に塗布する目的のものであれば、その安全性などを証明する必要があるため、化粧品または医薬品です。

例えば、アロマオイルは、アロマポットなどを利用して匂いを楽しむために使うのであれば雑品として販売可能です。しかし、皮膚につけてセルフケアに利用する場合は化粧品として、規制があります。

化粧品として表現できる効果は?

化粧品の広告で表現しても良い効果を少しだけ紹介します。
「髪を艶やかに保ちます」や「肌のうるおいを保ちます」というように現状維持、「皮膚の水分、油分を補い保ちます」と物質的に可能なことなどです。

シワやシミが消える、薄くなる、見えなくなるなどの変化をともなう効果についてはいえません。化粧品であってもこの程度の効果しかいうことができません。雑品の場合は効果をいうことは絶対に無理です。

雑品として売ることと医療器具(化粧品)として売ることの違い

医療器具・化粧品は、限定範囲での効果を広告に書けますが、雑品はどのような効果も書けません。反対になんらかの効果がある可能性のあるものは雑品として売ることはできません。

例えば石鹸です。石鹸で雑品として売れるのは、洗濯用洗剤や食器洗い洗剤のみで、どのような石鹸も皮膚に直接働きかけ、「汚れを落とす」という効果があります。

医療器具または化粧品など、効果を与える可能性のあるアイテムは、規制があり、売るためにはいくつかの条件をクリアする必要があります。医療機器製造販売業許可などの製造者としての許可が必要です。そして、パッケージに必要事項を記述するなどの義務が生じます。効果のあるとして売りたい場合は、規制がたくさんあるので、全てをクリアできるようにしなくてはいけません。

雑品が薬事法に引っかかるとき

具体的にマスクについて見てみましょう。そうすれば、雑品がどのように薬事法と関連してくるかがわかります。

マスクは雑品

マスクとは、四角いガーゼや不織布で鼻や口をおおうアイテムです。マスク自体はただの四角い布と耳につける紐でできているものなので、基本的に雑品として販売しても全く問題ありません。

具体的な菌や症状の名前を書いたらNG

マスク自体は雑品ですが、具体的に細菌やウイルスに対して効果がある、殺菌できる、または菌を不活性化できる、感染症を予防できるなどという効果を表示すれば、薬事法違反になりえます。

「インフルエンザ予防に」「花粉症に」「アレルギー対策に」といった症状をやわらげたり、予防したりという目的を表示する場合も薬事法違反です。

除菌はOK

殺菌はNGだということを説明しましたが、実は「除菌」は表現できる言い方です。日常的に、例えばりんごを食べるときに水で軽く洗うようなことは除菌だからです。菌を殺すわけではないが、除去することは日常的にしています。

除菌と殺菌は、ほとんど同じような感覚で使ってしまいますが、薬事法関連では全く違う言葉なのです。

虫除けを雑品でも表示できる場合

雑品に関しては、マスクの例で十分ですが、稀に例外的なことが起こります。それは「虫除け」です。虫除けの場合は、少し他のアイテムと状況が違うのでチェックしておくと参考になります。

結論から言えば、「虫除けスプレー」の場合は、医薬品扱いとなります。虫をよけるのは体だからという認識です。「虫除け」という言葉を使っても良いのは、服の防虫剤、住居に寄生するシロアリ、園芸用の虫除けの効果があるものは、人間や動物が対象ではないため、雑品として販売可能です。

しかし、人間や動物の体を虫から守るため、つまり目的が人間の体である場合の虫除けは医薬品となります。体に直接ではなく、服に散布することやアロマポットのように部屋に置くタイプでも同様です。アイテムが皮膚につかなくても、目的物が人間や動物の体であれば、雑品にはなりません。

雑品でも景品表示法に引っかかる場合もあるから注意

雑品であれば、比較的自由に販売が可能ですが、あまりにも扇動的なデザインのパッケージでは景品表示法に引っかかる場合もあります。

景品表示法第5条第1号で禁止されている優良誤認表示になるからです。消費者が誤解をしないように、正しく必要なものを手に入れるために法律は作られています。

https://biyou-houmu.com/koukoku/biyouiryoukoukoku1

▽まとめ

雑品は効果を表現したら薬事法で罰せられる

雑品を販売する場合、薬事法に関わってしまうケースを紹介しました。雑品だからと、うっかりしていると薬事法に引っかかる場合もあるということです。引っかかってしまった場合、うっかりしていたでは済まないケースもたくさんあります。

もう少ししっかり理解したいと思ったら、薬事法管理者の資格を勉強するともっと深くわかり、ネットで販売する場合にも有意義です。

参考関連ページ:薬事法管理者講座

 

▽参考情報

http://www.yakujihou.com/content/pdf/4-H.pdf
http://www.yakujihou.com/members/mailmagazine/mailmagazinebk/1042html
https://biyou-houmu.com/koukoku/yakujikoukokutaisaku-keshohin1
http://www.yakujihou.com/2006/05/post_61.html
http://www.yakujihou.com/content/rule.html
http://www.yakujihou.com/oshiete/faq_030023
http://www.89ji.com/law/509/
http://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/representation_regulation/misleading_representation/

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