機能性表示食品における広告ガイドラインを知って正しく販売

機能性表示食品として認可されているからといっても、広告でアプローチできる範囲は限られています。必要以上に効果をアピールすると、薬事法違反や景品表示法違反になる可能性があるのです。広告ガイドラインを知って、法律に抵触することなく、機能性表示食品の魅力を最大限に紹介できる広告を考えていきましょう。

機能性表示食品は届け出時点で少し考慮してみよう!

機能性表示食品は、1,500種類以上あります。しかし、すでに機能性表示食品として認可されているにもかかわらず、厚生労働省から薬事法に抵触するとされ、いくつかの商品が取り下げになっています。届け出をする時点で少し確かめておくべきことを紹介します。

機能について:どの機能でその商品をアピールするか

機能性表示食品は、効能を記述し商品の魅力をアピールできることがメリットです。しかし、届け出をするときにどのような効能があるのか、何に効くのかをきちんと説明しなくてはいけません。届け出時点で肌に効くと書いて提出すれば、肌への効果以外のアプローチができなくなります。

あとで、他のアプローチの方がより販売が増やせそうだと思っても、届け出をした機能以外で宣伝をすると、実質は問題がなくても薬事法に抵触してしまうので注意が必要です。

必要以上に医療効果のありそうな名前もNG

機能性表示食品の届けをする場合はネーミングも届けを出す機能以外があるのかなと誤解されるような名前は避けましょう。

例えば、「薬」という言葉が入ると医薬品を暗示しているように感じられるため、使わないようにしてください。「薬膳茶」など、実際に薬膳を出しているレストランなどでは存在するものですが、ネーミングになると日常的な言葉というより、一般の人は薬か何かを連想するためNGです。

また、生姜が入っているものも、ひらがなで「しょうが」と書いた方が誤解が防げます。「生姜」と漢字で書くと、漢方薬のようだと感じる役所の人もいるかもしれません。もちろん可能性だけですが、ひらがなで書いた方が安全です。

広告というのはいわゆる広告だけじゃない!

「機能性表示食品の広告は広告ガイドラインに反しないようにしましょう」というと、ネット上やテレビでのCM、雑誌などの宣伝や広告などを連想する人が多いのではないでしょうか。しかし、広告は、機能性表示食品を売るために利用されるメディアであれば全て当てはまります。

引用 イ 顧客を誘引する(顧客の購入意欲を昂進させる)意図が明確であること。
ロ 特定(医薬品等)の商品名が明らかにされていること。
ハ 一般人が認知できる状態であること。

という項目に入るもの全てが「広告」です。使用経験者が書いた感謝文や体験談集などを小冊子として配っても、それは広告として認識されます。

パッケージもガイドラインに従うこと

パッケージも機能性表示食品として販売するのであれば、厳しい規定があります。まず、表示しなくてはいけない項目が生鮮食品に対する事項も含めると17項目あります。「この商品は機能性表示食品であり、医薬品ではありません」というような注意書きも確実に消費者がわかるように書かなくてはいけません。そのため、記述はかなり膨大な量になります。入らないからと言って、必要なことを書かない、または、故意に省略して記述した効果のみが強調されてしまうようなことは違反行為です。

パッケージにも認められない表現を使うと薬事法や景品表示法に触れるので注意しましょう。

アフィリエイターにも注意

アフィリエイトサイトでの商品紹介でも、もし違反表現が見つかった場合、広告主の意図が反映されていると思われる場合は、広告主が景表法や健康増進法違反行為をしたと見なされ、相応の処置が取られます。

機能性表示食品はある一定の効果効能をアピールできますが、登録した機能以外はアピールできないということを頭に入れておかないと思わぬ落とし穴に入り込んでしまいます。

口コミをホームページに載せる際の注意

ホームページに口コミを載せるのであれば、自分で言っているわけではないため、どのような効果を書こうと自由だと考える人もいるでしょう。しかし、口コミであってもサイトの運営者が意図的に選んで掲載した場合は、消費者を誘導したと見なされます。

機能性表示食品の広告が関わる法律

機能性表示食品を紹介する場合にどのような法律に関わるのかを見ていきましょう。

景品表示法

景品表示法第7条第2項では、効果が実際以上にあると思わせることを禁止しています。そのため機能性表示食品は、含有されている成分に効果があるとされているだけで、商品全体に効果があるわけではないと言うことをはっきりと提示する必要があります。特に特定保健用食品(トクホ)と思わせるような表示にならないように注意が必要です。景品表示法では、広告などによって消費者が惑わされず、正しく自分の必要なものを選択できるように規制しています。

食品表示法

食品表示法は、パッケージにどのようなことを書かなくてはいけないか、食品表示基準と「機能性表示食品の届出等に関するガイドライン」に準じて必要な情報を表示するように規定しています。

健康増進法

健康増進法では、商品を誤った飲用の仕方で体に何らかの影響が出ないように規制しています。商品を飲めば飲むほど効果が現れると誤解し、大量に服用してしまうというような間違った使用法をしないように、1日に摂取する適正量を記述することなどを記述することを義務付けています。

その他、各省庁による規定

機能性表示食品は、特定保健用食品とは違って、消費者庁による個別審査によって機能を表示するのではなく、事業者が個人の責任によって機能表示を行います。それにもかかわらず、消費者庁によって許可されたなど誤解を生むような言い回し、例えば、「消費者庁承認」などという言葉を織り込むことは禁止です。

薬機法(薬事法)

機能性表示食品は、効果を広告で紹介することになるので、薬事法の対象になります。ただし、機能は機能性表示食品に含まれている成分に対して表示できるのであって、商品そのものが対象ではありません。また、機能性表示食品は、「健康食品」の1分野で衣料品ではないので、治療や予防ができると誤解が生じる言い回しをしては使えません。

機能性表示食品広告違反例

機能性表示食品の広告を出すときには、売りたいという気持ちがあるためにどうしても届け出以上に効果などを書きたくなることが多いです。そのため、これまでもかなりの数の広告違反が出ています。機能性表示食品として認可されたからといって、誇大広告を出してもいいというわけではないのです。

例えば最近の違反事例では、葛の花を由来イソフラボンを含む機能性表示食品を販売する16社が摘発されました。1社はあたかも予約が多く、早く予約を入れないと手に入りにくくなるということを強調しました。このように機能以外でも嘘の記述をすることは禁止されているのです。

広告ガイドラインを知った上で訴求力のある広告を!

機能性表示食品だからといって普通の健康食品よりアプローチできることが格段に増えるわけではありません。なかにはどのようにアプローチができるのだろうと思う人も多いのではないでしょうか。しかし、広告ガイドラインを熟知すれば、あらゆる法律に違反しなくても訴求力のある広告は可能です。法律を知っていれば、広告を書く場合にもビクビクせずにすみます。薬事法管理者認定試験を受けてみるのも一つの方法です。

▽参考情報

https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/pdf/150911premiums_1.pdf
http://xn--zck9awe6d372qg1j87ki4d.com/291212_dm1248/
https://yakujihou-marketing.net/archives/1027
https://www.mhlw.go.jp/bunya/iyakuhin/koukokukisei/dl/index_d.pdf
https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/foods_with_function_claims/pdf/food_with_function_clains_notice.pdf
https://www.pref.miyagi.jp/soshiki/yakumu/koukokutop.html
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/shokuhin/hyouji/shokuhyouhou_eiyou_kinouseihyouji.html

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