アロマセラピーは薬事法違反!知らないうちに罪を犯してしまうことも

「セラピー」という言葉はよく耳にする言葉ですが、使われても大丈夫な場合、違反になる場合などを知って、使い分けないと薬機法(薬事法)に違反してしまう可能性があります。セラピーの言葉で代表的な言葉がアロマセラピー(アロマテラピー)です。これからアロマを使って仕事をしたいと思っている人はとくにチェックをしてください。

アロマセラピーは薬事法違反って本当?

アロマセラピー(アロマテラピー)という言葉が実は薬事法違反になるのです。驚く人も多いと思いますが、なぜ薬事法違反になるのか、ならないためにはどうしたらよいのかなどを紹介します。

セラピーの意味

アロマセラピー(アロマテラピー)って意外と日常的に使っていますが、テラピーは「therapy」、つまり、「療法」という言葉と同じということで使えないのです。普通、私たちが「アロマセラピー(アロマテラピー)」というとき、あまり療法とか治療という言葉に置き換えることはありません。

そのため、つい気軽にアロマセラピー(アロマテラピー)という言葉を使ってしまいます。アロマ系のオイルなどを販売している人も知らない人が多く、話題になりました。

アロマの効果は言ってはいけない

化粧品にラベンダーや薔薇のエッセンスなどを香料として含ませることは違法ではありません。しかし、アロマの効果を表示することは違法です。

たとえば、「配合されている〇〇オイルは、肌の血行を改善し、疲れた肌を回復する働きがあります。」と書くと違法になります。もちろん、オイルを紹介するときに「アロマセラピー(アロマテラピー)」用ということも違法です。

アロマを使ったマッサージはNG

「あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律(略称:あはき法)」という法律で決められた資格を持った人だけが「マッサージ」ができるということになっています。アロマセラピストが「マッサージ」という言葉を使って仕事をすると法律違反です。アロマを使ったトリートメントという言葉を使います。

アロマセラピーを発展させるにはどうしたらいいか

アロマセラピーやマッサージという言葉が使えないことは、せっかくのアロマセラピーを利用した施術の認知度を増やしていきにくい状況を作っています。海外では、アロマセラピーの効能を認めている国もあることは事実です。

日本では、まだエビデンスの不足で、「療法」という言葉が使えません。アロマセラピーの発展のためには、エビデンスが必要です。

アロマオイルは化粧品?それとも雑品?

アロマオイルを輸入して販売することは可能です。その場合、アロマオイルは化粧品でしょうか?実は、化粧品として売ってもよいですし、雑品として売ることも可能です。ただし、化粧品として売りたい場合と雑品として売りたい場合とでは法律の規制する範囲が変わります。

広告を打つときに、とても大事なことですから、どちらで売るかは慎重に決めてください。

アロマオイルが化粧品の場合

アロマオイルを体に塗ることを想定して「化粧品」として販売する場合、「化粧品」としての法的な義務が生じます。そのような義務をクリアしているという前提で話します。

薬機法(薬事法)第2条3項によると化粧品とは、人体に及ぼす作用が緩慢な物としています。清潔に保ち、美化し、魅力的にし、皮膚や毛髪を良好に保つために体に塗るなどの方法で体につけて使用されるアイテムです。

ある程度の効能を書くことは許されていますが、かなり規制が入ります。アロマで体の不調が変化するというようなことは言えません。

アロマオイルが雑品の場合

アロマオイルが匂いを楽しむだけの目的で使われるアイテムであれば、雑品として販売できます。皮膚に直接つけて使うことなどを記述できません。雑品というのは体に直接働きかけないアイテムのことです。ですから当然「肌の健やかな状態を保つ」「髪をつややかにする」といった化粧品であれば使えるフレーズも利用できません。

多くのアイテムは雑品扱いであれば、薬機法(薬事法)の拘束を受けずに自由に販売できます。効果などがあると言わない限りは、薬事法とは関わりがありません。

その他セラピーという言葉が使われているもの

セラピー(テラピー)という言葉が使われているものはアロマセラピー以外にもメソセラピーダイエット(脂肪溶解注射)、ノーニードルメソセラピーなどがあります。女性雑誌などでよく見かける言葉ではないでしょうか。

このような施術は、当然医師免許を必要としています。医師免許を持っているスタッフがいるために「セラピー」という言葉が使えるのです。医師免許所持者のいないエステでは「セラピー」という言葉は使えません。

セラピーではなく「ボディケア」なら使えるのかどうか現在論争中です。

森林セラピーは薬事法でOK?

「森林セラピー」という言葉を耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか。森林セラピーとは森林浴のことで、森でのアクティビティを楽しむと同時に心身の健康を保ち、増進し、病気の予防を目指すことです。

森林セラピーは、農林水産省のページでも推薦しているセラピーで、林野庁は森林セラピースポットを選定し、紹介しています。森林セラピーのツアーなどもあるのですが、「森林セラピー」という言葉は使っても大丈夫なのでしょうか。

実は森林浴の効果についてはたくさん科学的エビデンスが発表されています。

・ストレスホルモンが減少する
・副交感神経活動が活発になる
・NK細胞が活性化、増加し、免疫力が高まる

といった効果が数値化して実証されているのです。そのため森林セラピーという言葉が使えます。アロマテラピーも、科学的エビデンスがこれから発表されていけば使用許可が降りると予想できます。

知らない間に違法になっているかも?

アロマセラピーはたしかにリラックス効果を感じている人もたくさんいます。しかしまだ科学的エビデンスが少なく、日本ではセラピーとして認められていません。アロマセラピーの効果を紹介しただけで、薬事法違反として第三者に通報されてしまうこともありえます。

消費者保護という観点から厳しくなる一方の表示に対する取り締まり。アロマテラピーに関することを扱う場合は薬事法をしっかり理解し、言葉に気をつける必要があります。

▽参考情報

http://www.yakujihou.com/content/pdf/5-I.pdf
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11120000-Iyakushokuhinkyoku/kesyouhin_hanni_20111.pdf
https://biyou-houmu.com/koukoku/yakujikoukokutaisaku-keshohin1
https://yakujihou-marketing.net/archives/257#i-7
http://www.rinya.maff.go.jp/j/gyoumu/gijutu/kenkyu_happyo/h25/fureai/pdf/25_hfu04_sikoku.pdf
http://www.yakujihou.com/sejyutsu/

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