健康食品会社、化粧品会社にとってのABテストとは

ECサイトを運営している健康食品会社や化粧品会社にとって、サイト運営上活用したいのがABテストです。ABテストによって、サイトをターゲットユーザーにとってより魅力的なものにし、商品の販売というサイトの目的を達成できるサイトにすることができます。健康食品会社、化粧品会社にとってABテストはどんな意味があるのか解説します。

ABテストの目的はCVRアップ

ABテストの目的は、Webサイトのコンバージョン率を上げることです。コンバージョン(Conversion)とは、Webサイト上で得られる最終成果のことをいいます。いわば、サイトの最終ゴールであり、サイトの存在意義ということもできるでしょう。成果といっても、その内容はサイトごとに違います。たくさんのファンを獲得したいサイトもあれば、サービスに問い合わせを欲しいサイト、資料請求をしてほしいサイトもあります。そのサイトを見ることで、ユーザーに何をしてほしいのかがコンバージョンということです。
そして、サイトの目的であるコンバージョンに至った人が、全体の来訪者の中でどのくらいのいたかの割合を、コンバージョン率(コンバージョンレート、CVR)といいます。たとえば、100人訪問者がいたとして、そのうちの10人が商品を購入してくれた場合には、コンバージョン率は10%になります。コンバージョン率は、商品などにもよりますが、一般的に1〜2%前後です。セール時期などは一時的にコンバージョン率がアップすることがありますが、通常は1〜2%程度にとどまるのが普通です。
ABテストは、このコンバージョン率をアップするために、サイトのどこをどう改善すればよいのかを探るテストです。健康食品会社や化粧品会社のECサイトの場合は、ほとんどの場合、商品の販売がコンバージョンとなります。サイトを訪問してくれたユーザーが、商品情報を見て購入を決め、最終的に購入ボタンを押してもらうのが目的です。そのために、サイトを作っている各種のクリエイティブ(キャッチコピーやデザイン、ボタンなど)検証していくのがABテストになります。

健康食品・化粧品会社でABテストが必要なわけ

健康食品・化粧品会社でABテストが必要な理由は、コンバージョンを上げなければ、サイトの存在意義がなくなってしまうからです。ECサイトには、大きな目的が2つあります。1つは、商品について正しい情報をユーザーに与えることです。もう1つは、商品を購入してもらうことです。商品情報を届けて購入してもらうのがECサイトの目的で、最終目的は購入してもらうことになります。つまり、訪問者数がいくら多くても、商品を購入した人の数を増やさなくては、ECサイトとして成功したとはいえません。
ECサイトのコンバージョン率は、どこも比較的低い数値でとどまっています。これは、ECサイトというものが広く認知されるようになって、さまざまサイトを利用できるようになってきたからです。ユーザーにもネット知識がある人が増え、複数のサイトで比較購入する人が増加しているので、ECサイトの運営は年々厳しくなってきているといえるでしょう。このような中、コンバージョンを少しでも上げていくためには、サイトの改善が欠かせません。

健康食品・化粧品会社でABテストを行うメリット

健康食品・化粧品会社でABテストを行うことには、さまざまなメリットがあります。まず、コンバージョン率を上げられる点です。ABテストはコンバージョン率アップというテスト目的がはっきりしています。そして、健康食品・化粧品会社のECサイトも、商品販売という目的がはっきりしています。ですから、正しくテストを行えば効果測定しやすく、ABテストのメリットを最大限に活かすことが可能です。
また、ABテストは、手軽にサイトを改善できる点もメリットです。あるサイトを立ち上げたものの、思ったような成果(コンバージョン)を得られていないときは、サイトに何らかの問題があることが想定できます。しかし、だからといってサイトを全面的にリニューアルするとなると、大きなコストがかかりかねません。この点、ABテストは既存のサイトを維持しながら改善していけて、業者に依頼しない限りは、基本的に費用もかかりません。限られた予算の中でサイトの効果を高めることができるのが利点です。
ABテストは、サイト運営者が自分でできる点もメリットです。Googleアナリティクスなどでは、最初からABテストの実施が組み込まれているので、はじめての人でも比較的簡単に設定できます。実施するには手順を覚えたり、効果測定をしたりする作業もありますが、慣れてくれば誰でも実施できます。ECサイトのコンバージョン率アップについては専門サービスも各種出てきていますが、自分たちでも実行できるサイト改善方法がABテストです。コストをかけずに、自分たちの手で小さなところから少しずつ改善していくことができます。

HABテストを行う際の注意点

健康食品・化粧品会社でABテストを行う際には、いくつか注意点があります。まず、テストの目的をしっかり絞ることです。テストの最終目的はコンバージョン率のアップです。しかし、そこに至るにはいくつかの方法が考えられます。たとえば、サイトのトップページからの離脱率がそもそも高いというケースがある一方で、サイトはしっかり見てもらっているのに購入率が悪いというケースもあります。離脱率が高いサイトなら、トップページをきちんと見てもらうか、他のページに遷移してもらえるような工夫をしなければなりません。
購入率が悪いサイトなら、CTAボタン(Call to Actionボタン、購入ページにリンクしているボタン)を改善したり、申し込みフォームを改善したりする必要があるでしょう。コンバージョンを妨げている箇所を予測して、その改善を目標とすることからABテストは開始します。どこをどう直すべきなのか、仮説をしっかり立てて行うことがで、ABテストを実効的に行う上でとても重要です。
また、ABテストを行う際には、一度に何カ所も修正しないで、1カ所のみ修正してテストすることが大事です。同時に何カ所も修正してしまうと、どこがコンバージョンアップに役に立ったのかがわかりません。ABテストでは、2つのクリエイティブを同時にテストして、優劣を決める点にポイントがあります。3つの可能性がある場合には、まず2つについてテストを行い、結果がよかったものともう1つについてテストを行うという2段階のテストを実施するとよいでしょう。
ABテストを実施したら、効果測定を行うことも忘れてはなりません。まず、ABテストの効果測定を行い、よりよいクリエイティブを探します。次に、しばらくそのクリエイティブで運用してみて、本当にコンバージョン率に対して効果があるのかをチェックします。1回のABテストで優位性が認められたクリエイティブでも、長期的に運用してみたらさほど効果がなかったということもありえます。ABテストの結果に安心してしまわずに、その後もしっかり効果測定していくことが大事です。

ABテストで効率的なCVRアップを目指そう!

ABテストはECサイトでコンバージョンを上げるために、とても有用性のあるテストです。サイト数が増え、利用するユーザーも多くなった現代では、ECサイトの競争率も激しくなっています。魅力的なECサイトを積極的に構築していかなければ、生き残っていけないかもしれません。
ABテストは、商品の販売という明確な目的を持っている健康食品・化粧品会社のECサイトで、有効に活用できるテストです。サイトの細部を改善していくテストなので運営者自身で実施できますし、サイトの作りを大きく変えずに効果だけを上げることが可能になります。コストもかけずに済むので、限られた予算の中で最大限の効果を上げたい場合には、ぜひ活用すべきテストだといえるでしょう。ABテストの効果をより高めるには、いくつか注意点もあります。効果的なABテストを行って、ECサイトのコンバージョン率アップを目指していきましょう。

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