abテスト バナー広告テスト事例まとめ

さまざまなWeb施策の効果測定を行うのに、積極的に活用したいのがabテストです。abテストは、Webサイトだけでなく、バナー広告についても利用できます。ただ、abテストの範囲は非常に広いので、どこからどう手をつけたらよいのかわからない人もいるでしょう。そこで、実際にあったバナー広告のテスト事例について紹介します。

事例1:キャッチコピーのabテスト例

バナー広告には、いくつかの構成要素があります。バナー広告のクリック率が低い場合には、要素のいずれかに問題があることが予想されます。そこで、abテストでは要素を1つずつ絞って、順にテストしていくことになります。abテストを行う際には、ターゲットユーザーをしっかり決めなければなりません。ターゲットに響かなければ、abテストの目的であるコンバージョン率アップを実現できないからです。いずれの要素についてabテストを行う場合でも、最初にターゲットユーザーの設定をしておくようにしましょう。
バナー広告の要素として挙げられる一つがキャッチコピーです。キャッチコピーがうまければ、ユーザーの印象に残りやすく、バナーをクリックしてみようという意欲をかき立てることができます。たとえば、安さを売りにしているサイトの場合には、キャッチコピーに「期間限定割引」「今なら20%オフ」といった文言を入れると、ターゲットユーザーの反応がよくなります。
アパレル系サイトで、流行に敏感なユーザーがターゲットである場合には「最新アイテム入荷」とひと言入れることで、バナーのクリック率が改善した例もあります。レアものを扱っているサイトで、入荷困難なものをほしいと思っているユーザーがターゲットである場合には、「人気のブランドバッグを再入荷」という文言で、クリック率を上げることができるでしょう。商材によっては、女性的なメッセージと男性的なメッセージを使いわけることで、効果が出やすくなるケースもあります。
また、非常にシンプルな方法ですが、キャッチコピーの文言を短くするだけでも、効果が出ることがあります。バナー広告は小さな枠内で訴求しなければならないので、つい言葉が長くなってしまいがちです。しかし、パッと目に入るくらいの短い言葉を使ったほうが、見逃されることが少なく、心理的なストレスも少ないので効果が出やすくなります。
物販系のバナーの場合、商品の価格を入れるかどうかも、大きなポイントになります。また、割引率を%で表記した場合(今なら30%引き)と、割引額を円で表記した場合(今なら2000円お得)とで、結果が違ったというケースもあります。

事例2:イメージ画像のabテスト例

バナー広告をビジュアル面で支えているのは、イメージ画像です。バナー広告は限られたスペースにいろいろな情報を盛り込まなければなりません。文字だけでユーザーの興味を引くことは難しいため、イメージ画像をどううまく使うかが、バナー広告では非常に重要です。
画像の検証としては、使用画像のアングルや照明の当たり方が異なるだけでも、効果が違ってくることがあります。物販系のサイトであれば、使用する画像としては、商品画像もしくはターゲット層に適した人物画像などが考えられます。人物画像の場合は、男性か女性か、年代やポーズなどによって効果が違ってくるでしょう。たとえば、50代以上の女性をターゲットにした化粧品会社では、女性の画像よりも、商品画像にコスパをうたったバナーのほうが、クリック率が高かったという事例があります。ターゲットが男性であれば、女性を使ったほうが関心を引きやすくなることもあります。ターゲットによって高い反応を引き出せる画像が異なるので、abテストで実際に確かめてみることが必要です。
インパクトの高い画像を使うのも1つの方法です。たとえば、社員に奇抜な扮装をさせた画像をバックに入れることで、クリック率を倍増させた事例があります。社員を使うことで、親近感がわいて好印象をもたらすことができます。もっとも、奇抜さを表に出し過ぎると逆効果になるおそれもあるので注意しましょう。
また、場合によっては、画像を一切使わないという選択もありえます。さらに、画像ではなくイラストを使うという方法も可能です。はっきりした線で描かれたイラストを使うと、画像よりもバナーを目立たせることができます。

事例3:デザインのabテスト例

バナー広告では、デザインも重要な要素です。デザインの要素としては、文言や画像の並びや、大きさなどいろいろな要素がありますが、最も重要なポイントは文字の読みやすさです。バナー広告は小さいので、ごちゃごちゃ文字や画像が並んでいるだけでも敬遠されてしまいます。バナー広告のデザインを考えるときは視認性を意識し、できるだけシンプルに整然としたデザインにするのがよいでしょう。たとえば、入れ込む画像を2つから1つにしたことで、すっきりと見やすいバナーになって反応率が上がったケースがあります。
キャッチコピーについては、フォントも大事です。たとえば、20代の比較的若い女性をターゲットとしているのに、クラシックな明朝体や堅苦しいイメージのゴシック体などが使われていたら、反応はどうしても薄くならざるをえないでしょう。

事例4:カラーのabテスト例

バナー広告ならではの重要性があるのが、バナーの色です。バナーを目立たせるためには、サイトのベースカラーから目立たせることが重要です。たとえば、赤をベースにしたバナーとモノトーンを基調としたバナーをそれぞれ制作して、abテストを行ったところ、赤をベースにしたバナーのクリック率が高くなったという実例があります。これは、赤のほうが飛び出して見える色なので、目立たせることができたのが原因だと考えられるでしょう。黄色と青、赤と緑など反対色(補色)を使って、バナーに個性を持たせるのもよい方法です。
カラーについては商材のイメージに合う色を選ぶことも大事です。扱う商材が自然派化粧品なのに、バナーを目立たせたいからといって、どぎつい色合いのバナーにしたのでは、商材の良さを伝えることができません。
最も手軽にできるカラーのabテストとしては、現在使っているカラーを反転させるという方法があります。たとえば、赤背景で白のイラストや文字を使っていたら、白背景で赤イラスト・文字のパターンをB案としてabテストを実施するのです。コーポレートカラーなどが決まっていると、バナーに使える色に制限がある場合も少なくありません。その場合は、色を反転させたバナーを試してみるとよいでしょう。

事例5:誘導ボタンのabテスト例

バナー広告では、問い合わせや購入ページへリンクする誘導ボタンが設置されています。「お申し込みはこちら」といった文言が書いてある小さなボタンの部分です。とても小さな部分ですが、ここはコンバージョンにダイレクトに結びつく部分なので非常に重要です。
誘導ボタンのabテスト例としては、まず他の部分と区別できるようなデザインになっているかをチェックすることが大切です。誘導ボタンが周りのデザインに埋もれてしまっていると、ユーザーはアクションを求められていることがわからないので、クリックしてもらえません。バナー広告自体も目立たせる必要がありますが、バナーの中で、さらに誘導ボタンを目立たせておく必要があります。そのためには、誘導ボタンのサイズを大きくすることと、カラーを変える方法があります。カラーとしては、赤・青・緑などを使うと目立ちやすいでしょう。
次に、誘導ボタンにどんな文言を入れるかも重要です。誘導ボタンは、クリックしてもらうことが目的ですから、クリックすることへのハードルを下げるような文言や、クリックを促すような文言を入れるのがよいでしょう。たとえば、「ご購入はこちら(今なら最大40%オフ)」「お申し込みはこちら(1分でできます)」など、アクションすることによって得られるメリットを端的に伝えるのがポイントです。「登録はこちら」ではなく、「無料登録はこちら」とすることで効果があったケースも出ています。

実例から学んで効果が実感できるような改善を!

abテストは、Webマーケティング施策の改善に大いに役立ってくれる便利なWebマーケティング手法です。バナー広告の場合の主な改善点としては、キャッチコピー、イメージ画像、デザインのほかに、カラーや誘導ボタンなどが考えられます。いずれもいろいろなパターンがありえるので、どこからどうテストを始めたらいいのか難しいケースもあります。迷った場合には、実際にabテストで効果のあった実例をマネするのが一番です。同じ業界で、ターゲット層も近い事例があれば、自社でも同じような成果を上げることが期待できます。ここに紹介した実例を参考にして改善し、よりよいバナー広告を制作していきましょう。

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