景品表示法の合理的根拠とは?提出時のポイントについて紹介

インターネットなどを通じて商品の広告を出すときに、販売数をアップさせるために、少し大げさな表現になってしまうことがありませんか。景品表示法では、消費者の誤解を招くような過剰な表現は、誇大広告や虚偽広告とみなされるおそれがあります。商品の広告で不適切な内容がみられた際には、「合理的根拠」といわれるものを行政へ提出する必要があります。この記事では、景品表示法における合理的根拠が必要となる状況やポイントについて紹介します。

景品表示法で合理的根拠が必要になるケース

景品表示法では、消費者が混乱するような不適切な表現と認められた際に、根拠となる資料を行政へ示す必要があります。このときに提出するデータなどの資料を、専門用語で「合理的子根拠」といいます。
景品表示法で合理的根拠を示す必要があるケースにあたるのが、「優良誤認表示」です。優良誤認表示は、特定の商品やサービスの内容について、実際の特徴以上のものをアピールしていることをいいます。具体的な優良誤認表示の例には次のものがあります。

・実際には食事制限や運動が必要なのに、「摂取するだけで痩せるダイエット食品」と謳っている商品
・サロンの施術を受けることで、「すぐに小顔になれる」と謳っているサービス
など

景品表示法における合理的根拠は、特定の商品の広告に過剰な表現がみられたときに、裏付けとなる根拠を示すものです。実際の商品の特徴を超えた内容の文言は、優良誤認表示とされるおそれがあり、消費者の混乱を招くものです。なお、特定の商品やサービスが優良誤認表示と認められるのは、商品の実際の特徴と広告の内容、消費者の認識などから総合的に判断されます。

景品表示法における合理的根拠とは

実際に、特定の商品やサービスの広告が不適切とみなされ、合理的根拠を示す必要がでた場合はどうしたらよいのでしょうか。景品表示法では合理的根拠の定義を次のように定めています。

資料が客観的内容であるもの

消費者庁に合理的根拠を提出する場合は、客観的なデータであることが求められます。具体的には、商品やサービスに関連する学会や分野での試験によって実証データなどが合理的根拠として適しています。また、合理的根拠の提出では、専門家や専門機関の学術論文を提出できます。

資料の内容が適切な対応がされている

景品表示法で合理的根拠を提出する場合は、提出する資料と広告の内容が一致していることが重要になります。つまり、合理的根拠で提出するデータとは関係のないような内容がみられる場合は、虚偽とみなされるおそれがあります。

公的サイトから分かりにくい合理的根拠のポイント

景品表示法の不当表示で合理的根拠の提出が必要になったとき、具体的にどのような資料を用意すればよいか迷ってしまう人も多いでしょう。ここでは、公式サイトの定義だけでは分かりにくい、合理的根拠のポイントについて紹介します。

文献や試験内容を使用するときは?

合理的根拠の資料と提出するときに用いられるのが、専門家や専門機関による実証データや学術論文です。実際に根拠となるデータを利用するときは、マウスなどの動物実験のものは適切ではありません。景品表示法で合理的根拠を示すときは、ヒトによる臨床試験のデータを使うようにしましょう。

企業内で行われた試験はOKか?

景品表示法の不当表示で、合理的根拠を示す必要がある場合、基本となるのは第三者の立場である専門家や専門機関による実証データです。一方で、該当する実証データがない場合などは、企業内で行われた試験内容も合理的根拠として使うことができます。ただし、社内の実証データを用いる場合は、方法や結果に偏りがないものが求められます。

合理的根拠を示さない場合はどうなる?

自分の取り扱っている商品やサービスの広告で、景品表示法に違反した場合、消費者庁から通知されてから、15日以内に合理的根拠を提出する必要があります。この期間は景品表示法に定められている一般的な期間ですが、商品の内容によっては延長が認められる場合もあります。その一方で、合理的根拠を示すために、追加で試験や実験を行うなどは、認められていません。通知後に合理的根拠が提出されないと、指定の内容の広告は不当表示とみなされるおそれがあります。
景品表示法において不当表示が認められると、商品の一定の売り上げ分を行政に納付する義務が生じます(専門用語で課徴金といいます)。不当表示になると、金銭的な負担がかかるだけでなく、商品や企業に対するイメージダウンにもつながります。不当表示を指摘された場合は、すみやかに合理的根拠を提出するように努めましょう。

▽まとめ

広告制作時は合理的根拠を見据えた内容にしよう

インターネットなどを通じて、特定の商品やサービスなどの広告は、あらかじめ合理的根拠を把握したうえで制作することが大切です。商品の販売数を増やそうとして過剰な表現を使えば、景品表示法に違反してしまうおそれがあります。商品の販売で広告を制作するときは、関連する法律についてもチェックすることが大切です。また、特定の商品などの広告を制作するときは、客観的データも理解したうえで、効果的な表現を使うようにしましょう。

▽参考情報

https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/representation_regulation/misleahttps://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/pdf/fair_labeling_160801_0002.pdfding_representation/not_demonstrated_ad/

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