化粧品の臨床試験で得た効果の正しい広告文の表現方法とは?

化粧品の販売前に行われる臨床試験で得た化粧品の効果や効能についてアピールするような広告を見かけることがあります。効果や効能を広告文として使用できる表現内容には規制があります。ルールに沿った適切な広告表現をしないと、違法として取り締まりを受けるというケースもあるのです。ここでは、正しい広告文の表現方法について詳しくご説明していきます。

化粧品の効果や効能の適切な広告表現とは

化粧品での効果や効能を表現できる項目は、薬機法や医薬品等適正広告基準により56項目と定められています。しかし56項目だけを守って表現すれば良いかというとそうではなく、少しの表現方法で違反とされてしまう可能性があります。また、過大表現をしてしまうと、消費者に期待を持たせてしまい、トラブルが起きる可能性もあるため、慎重に言葉を使用する必要があります。

禁止される広告表現の具体例とは

実際にどういった内容の広告表現をすると、違反となるのでしょうか?ここでは、具体的な表現例を出し、表現内容についてご説明していきます。

臨床試験での効果や効能を保証するような広告表現の禁止

化粧品が市場で販売される前には、必ず臨床試験が行われます。試験時に結果として出た効果や効能、試験内容についてなど、購入者にとって効果的な印象を持たすことができるのであれば、広告表現として加えたいものです。

例えば、「非常に肌への安全性が高い商品となっています」「あなたの肌トラブルはこの1本で全て解決します」「パッチテストを行っていますので安全性は確認済みです」という表現が考えられます。しかしこれらは全て不適切な表現にあたります。

理由は、これらの表現には効果の効能が保証されているかのような文章が含まれているからです。基本的には、臨床試験時に結果として出た効果や効能は環境により変化することもあり、保証できることではありません。そのため、安全性が高い、肌への効果がまるで保証されているかのような表現は違反とされているのです。

臨床試験によるデータ結果や具体的な数値に基づく広告表現の禁止

化粧品は臨床試験が行われ、効能や効果が確認できているからこそ、その効果を売りとして販売できます。しかし、臨床試験で得たデータ結果や数値は、基本的には広告表現としては使用できません。以下が薬機法や医薬品等適正広告基準に違反している例です。

例:「○人中○人は潤いがあると答えた」
例:「○人中○人の肌が改善された、トラブルが減った」

臨床試験結果は、ある程度定められた環境の中で行われた実験の結果であり、その結果が必ずしもどの人にも効果があるとは限らないため、このような表現が使用できません。そこで確実なデータが結果として出ており、確実に効果があるとしても、数値データは表記しないようにしましょう。どうしても広告文に含めたい場合には、臨床試験が行われたことを示すような写真のみにしておくのがおすすめです。

刺激性の有無についての広告表現の禁止

直近では肌に優しいオーガニック系の化粧品がトレンドとなっており、天然成分で作られているため刺激が少ない、敏感肌にも使用できる、ということをアピールした化粧品が多く販売されています。

「低刺激で肌に優しい」「刺激がない化粧水」などの表現は消費者に対し非常に良いアピールになりますが、このような過度な表現は基本的にはNGです。

低刺激かどうかは使用する人により感覚が異なるため、表現として断言することが困難なためです。低刺激であることが客観的にわかるような写真を掲載したりすることをおすすめでします。場合によっては違反となる場合もありますが、どうしてもこのような文章を使用したい場合には、低刺激であることがわかるような文章を、強調する色やフォントを使用せず、控えめに使用することで表現が許可されていることもあります。

成分内容やアレルギーテストについての表現の禁止

「無添加だから安心」「天然成分だから赤ちゃんにも安心で安全です」なども禁止されています。天然成分だから問題ないのかというとそうではなく、安全な成分ばかりではないため言い切ることができないのです。一方事実に基づいた表現は行えます。例えば「保存料無添加」などの保存料を使用していない事実を伝える表現は含めて構いません。

最高級の表現の禁止

また、販売する化粧品が最高な出来栄えであるかのように聞こえるような表現は禁止されています。例えば、「世界一の化粧品」「化粧品の王様」「最高級の化粧品」「最高の効果」などです。その化粧品が他と比べて最高級なものであるかどうかも、人によって異なり、主観が入ってしまうため、最高級であることを保証する表現は禁止されています。

広告として使用しても良い表現とは

化粧品の広告で使用してはいけない表現を複数ご紹介してきましたが、では、実際に使用可能な表現はいったいどんなものがあるのでしょうか。ここでは、違反しない表現方法を例に挙げて説明します。

肌に優しいは問題ない表現

「刺激がない」などの表現はできませんが「肌に優しい」という表現は使用可能です。しかし、含まれている成分が肌への効果を表しているような表現、例えば「ビタミンC入りで肌に優しい」といった内容は許可されていません。成分に関する表現が含まれているため、医薬品等適正広告基準に反することになります。

また、「パラペンフリーで優しい」といった表現も同様に禁止です。パラペンをネガティブに表現していることになり、他社誹謗にあたり、これも医薬品等適正広告基準に反することになります。

▽まとめ

適切な広告表現を使用し、化粧品をアピールしていきましょう

広告表現で気をつけるべきポイントをご紹介しました。化粧品を販売する前に行われる臨床試験での効果や効能を、広告表現としてアピールしたいものですよね。しかし、適切な表現を使用しないと、場合によっては違反とされてしまう可能性もあります。ここでご紹介した内容を参考に、正しい広告表現を使用し、化粧品をアピールしていきましょう。

▽参考情報

http://www.89ji.com/law/2987/

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